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掲示板でGF その4

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 5月19日(火)20時45分36秒
  沖縄本島・宮古島近海海中

その日の南西諸島の海は、これから起きようとしている事など知らぬかのように凪いだ海だった。

その海中、深度150mの海中を3隻の潜水艦が南に向かっていた。
まるで海中にトンネルを掘るかのように大きなスクリューが激しく回転をしている。

3匹の猟犬は、沖縄本島の南に達すると、東に進路を変えて全速力で“獲物”を追った。


沖縄本島・日本海軍・沖縄基地

防波堤に設置された灯台の横から、4隻の小ぶりな護衛艦がゆっくりと基地に向かって入港してきた。
基地の岸壁には燃料補給用のフレキシブルパイプを手にした隊員たちが待ち構えている。
4隻の護衛艦は一列に並ぶと、ゆっくりと岸壁に近づいていく。
4隻の甲板上には無線機を手にした乗組員が出て、岸壁上の隊員と会話をしながら乗艦を巧みに岸壁に近づけていく。
やがて接岸した4隻の護衛艦は舫綱で繋がれ、燃料パイプが接続されると燃料補給が始まった。
艦橋のウイングからその様子を見守る護衛艦『ながつき』艦長、館野三郎少佐は、じれったそうにその様子を見守っていた。
マイクを手にすると、

「燃料補給作業、急げ!!」

特に誰に命令するわけでもない、しかしそう命ずるのを抑えることができなかった。
館野は視線を基地と外とを隔てるフェンスに向けた。
そこには『戦争反対』、『すべての人との友好を!』、『南西諸島を平和の海に!!』、などと思い思いに書いたプラカードを手にした100人ほどの人たちが立っていた。
その脇には取材に来たのだろうか、新聞記者が基地の中や抗議活動に参加をした人たちにカメラのレンズを向けている。
館野は眉をひそめた。
緊急入港に近い今回の入港は、当初予定をされた演習後の帰港時刻より6時間ほど早い。
それでもなぜか彼らは“タイムリーに”抗議に来ている。
なぜなんだ・・・・・?

「燃料補給と給水作業、完了しました!!」

館野の思索を報告の声が現実に引き戻した。

「了解、出港用意!!」

館野が言うと、織組員たちは機敏に動き始めた。
旧式艦のむつき級護衛艦は推進機関が蒸気タービンだ。
そのため一度ボイラーを止めてしまうと、ガスタービン推進に比べると再始動には時間のロスが大きい。
そのため館野達4隻の護衛艦艦長は、ボイラーを動かしたまま補給を受けていた。
それでも、蒸気タービンを動かすためには手間がかかる。

4隻の護衛艦は、『平和のための』抗議の声を背中に受けながら、再びコバルトブルーの海に白い航跡を描きながら『かつらぎ』の後を追った。
 
 

掲示板でGF その3

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 5月16日(土)13時54分1秒
  沖縄近海 第11護衛艦隊旗艦 護衛艦『かつらぎ』

今、護衛艦「かつらぎ」は30ノットの速力で北・・・・・・沖縄本島を目指している。

空中警戒管制機E-767からの「潜水艦隊出現」の報告を受け、『かつらぎ』はこの事態に対応するべき行動をとりつつある。
単艦で潜水艦を追跡する『かつらぎ』に、護衛艦『ながつき』艦長 館野三郎少佐は発光信号で、

「我、後続す」

と信号を送り、『かつらぎ』後方につこうとした。
報告を受けた吉岡は、信号員に返信をさせた。

「飯を食ってから合流せよ」

指揮官からの前代未聞の信号を受け、『ながつき』以下4隻の護衛艦は、補給のために沖縄基地に向かっている。
『かつらぎ』の艦橋からは、沖縄本島の姿はまだ見えない。
青い海原が広がっているだけだ。

「この潜水艦隊は、どこを目指しているのでしょうね?」

『かつらぎ』副長、青井裕二中佐が情報スクリーンを見ながら言った。
そこには、ゴッド・アイから送られてきた情報が表示されている。
黄海方面から東シナ海へ進出してきた潜水艦は2群に分かれている。
今彼らは『かつらぎ』とは沖縄本島を挟んで反対側にいる。
一群は沖縄本島と宮古島の間を目指しているようだ。そこから太平洋に抜けるのだろうか?
もう一群は、針路を東寄りに取っている。ゴッド・アイとの通信では対馬海峡を目指すといっていたが、吉岡の目にはそうとは見えなかった。
この2群の行動は連携をしている・・・・・そう考えると・・・・・? その時、

「ゴッド・アイから通信。 『オーシャン』からファントムが発艦。 北九州基地に向かいました」

その報告を聞いた瞬間、吉岡の脳裏に何かが閃いた。
現在、サザンランド艦隊は巡航速度で航行をしている。
吉岡の指が情報スクリーンに映し出された沖縄本島と宮古島の間を通り、東に向かう。そこには彼らの乗る『かつらぎ』が、そしてその先にはサザンランド艦隊がいる。
そして吉岡は指を、もう一群の東寄りを進む潜水艦の上に置いた。
東寄りに進むと見せかけ、南に向かい沖縄本島と奄美大島の間を抜ける、そのころにはその場所には・・・・・。

「艦長」

青井副長が声を震わせる。

「針路0-4-0・・・・・潜水艦隊とサザンランド艦隊との間に『かつらぎ』を入れて、彼らを食い止める」

吉岡の命令に、『かつらぎ』艦内の乗組員たちは、素早く反応する。

ソナー員は、どんな音も聞き逃すまいと緊張感を高める。
3機のSH-60の乗員たちは、いつでも発艦できるように愛機に駆けつけてチェックを始める。
整備員たちは3機のヘリコプターに燃料補給を始める。
兵器担当も、“いざ”というときに備えて準備を始めていく。

針路を東に向けた『かつらぎ』は、相手を迎え撃つ体制を取り始めていた。
 

掲示板でGF その2

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 5月13日(水)20時50分49秒
  同刻・サザンランド王国 コナ・シティー コナ国際空港

しなの総研主席研究員・六甲大学講師 森沢正輝は、サザンランド王国首都、コナシティーにあるコナ国際空港・・・・・サザンランド王国の国民には『ジャック・コスワース国際空港』として知られている空港のカフェで、日本への帰国便を待っていた。
サザンランド王国は、太平洋の十字路にあたる場所にあり、結果、この空港も『太平洋のハブ空港』としての役割を果たしている。
森沢はエアー・コーラル の成田空港行きの便の出発を待っていた。
日本は親日国のサザンランド王国のナショナル・エアラインともいえるエアー・コーラルの羽田空港への乗り入れは認めず、いまだに成田空港と関西空港、中部空港への週に数便の割り当てにとどまっている。
日本を『悪逆非道の国』と罵る国には毎日、羽田空港への乗り入れを認めているのだが・・・・・。
コーヒーを飲み、たまごサンドを口に運びながら新聞をチェックする。
日本のエアラインも路線を持っているが、森沢は現地のエアラインを利用するのを彼のスタイルとしている。
勿論、不愉快な思いをすることもある。
否、不愉快な思いをすることのほうが多いのかもしれない。
欧米への学会発表の際や、調査に出かけるときなどは人種差別的な扱いを受けるときもあった。
そうかと思えば、特定のアジアの国のエアラインを利用した時などは、彼が日本人だと気が付いたその国の人間は、彼に顔を近づけて唾がかかるほどの距離で、

「我々は、あなたの国を1000年許さない!!」

と罵られたものだ。
勿論、エアラインのスタッフはそれを『見て見ぬふり』で片付けようとした。
並の人間ならば、乱闘が起きただろう。
しかし、森沢は彼流の『誠実さ』(相手にとっては災難だったろう)で、日本の立場を説明した。
相手は反論をした。半ば怒鳴り散らしながらだったが・・・・・。
相手が興奮すると、森沢は逆に冷静に『説明』をした。
相手が論破されるのが確実になると、エアラインのCAなどが慌てて駆けつけて森沢に向かって「お客様、もめ事はやめてください」などと言った。
森沢は「ああ、そうですか」というと、そのまま矛を収めて本を読んでいた・・・・・もしも後でもめ事が起これば、間違いなくSNSで一部始終を発信していただろうが・・・・・。

今日利用するのは、エアー・コーラルの101便 エアバスA-350型機に乗る・・・・・もちろん、エコノミークラスだが。

「コーヒーを・・・・・」

森沢の後ろの席に、スーツ姿の若いビジネスマンが腰を下ろした。
森沢は傍らに置いていたスーツケース・・・・・ホテルから王宮、空軍基地までグルグルと巡回したスーツケース・・・・・を、すぐ横に引き寄せた。

彼の左横、椅子を一つ隔てた場所に、Tシャツ・ジーンズ姿の若者がニューヨークヤンキースのキャップを被ったまま腰を下ろして、コーラを注文した。
森沢が微かに鼻を鳴らした。
読んでいた新聞をたたみ、スーツケースに手を伸ばそうとした時、彼の右横の椅子にスーツ姿の“ビジネスマン”が腰を下ろした。
森沢が苦笑をした。

「何事ですか・・・・・中佐?」

サザンランド王国、近衛武官トンタット・タン中佐は、

「やはり、わかってしまいますか? 博士?」

「身のこなしでわかりますよ・・・・・」

森沢の周りの『男たち』が、森沢を囲むように立ち上がった。

「博士には、国防省までお越しいただきたいのです・・・・・」

この場で詳しくは申せませんが・・・・・トンタット中佐に対して、森沢は、

「もう1時間もしないうちに、成田行きが出るんだよ」

「ご心配なく・・・・・」

トンタット中佐が笑った。 テーブルの上にチケットを置いてすっと森沢の前に滑らせた。

「明後日の成田行きを予約しました・・・・・」

エアー・コーラルの成田行きA380型機、ファーストクラスでお帰りいただきます。
トンタット中佐の言葉を聞きながら、森沢が苦笑した。

「わかりました、行きましょう・・・・・」

3人に囲まれながら森沢はスーツケースを引っ張りながら歩きだした。
森沢の頭が目まぐるしく回転する。
いったい何が起きたのか?
サザンランドは『情報を重視する国』だ。その国の武官は明後日の航空便を予約した・・・・・ということは、2日間である程度の結論が見える事件が起きているのか?

いつしか森沢の顔から微笑みが消えた。
空港ターミナルの車寄せには、トヨタハイエースが横付けされていた。
森沢は屈強な男たちに囲まれて車に乗り込んだ。
 

掲示板でGF その1

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 5月13日(水)16時05分40秒
  第11護衛艦隊旗艦 護衛艦『かつらぎ』 CIC

「?!」

東京へ向かうサザンランド海軍の空母『オーシャン』と、フリゲート艦『コーラル』、『ブリザード』を甲板上で見送り、CICに戻ってきた通信士官 尾崎祥太郎少尉は、スピーカーから聞こえた通信内容に尾崎の思考は一瞬停止した。
直ぐに我に返った尾崎は頭にヘッドセットを付けると通信機のスイッチを入れた。

「かつらぎよりゴッド・アイ、もう一度言ってくれ」

「ゴッドアイより南西艦隊
所属不明の潜水艦艦隊が黄海より沖縄方面へ航行中。南洋方面へ向かうと思われる。一部対馬海峡へ向かう動きも見られる。警戒せよ。
以上」

通信内容を素早くメモを取る尾崎を、通信士たちが不安そうに見守っている。

「ありがとう、ゴッド・アイ」

尾崎は通信機のスイッチを切ると、メモを掴んでCICを駆け出るとラッタル(階段)を駆けあがる。
やれやれ、ようやく演習が終わったばかりなのに、今度は潜水艦か・・・・・。
尾崎は急角度のラッタルを機敏に駆け上がっていく。

E-767の機内では、管制士官が小さくため息をついていた。
彼も5日前には北九州基地所属部隊の演習に参加をしていた。
その演習ではユニコーン2、新谷正孝中尉搭乗のF-15Jがエンジントラブル・・・・・壊したともいうが・・・・・を起こし、何とか基地に帰還をするという出来事もあった。
結果、新谷はジャンヌダルク隊の岡村めぐみ中尉と岩田敦子少尉にはケーキをごちそうし、北田やゴッド・アイのスタッフたちには今夜、生ビールをおごることになっていたのだが・・・・・。
どうやら今夜はありつけそうにないな・・・・・管制士官は静かにモニター画面の情報を見守っていた。

ラッタルを駆けあがった尾崎は艦橋に飛び込んだ。
艦橋にいた乗組員達が一斉に振り返った。
尾崎は艦長席に座っている『かつらぎ』艦長、吉岡貴弘大佐に駆け寄ると敬礼をした。

「ゴッド・アイから通信です」

尾崎から手渡されたメモを読んだ吉岡は、艦橋に設置されたモニターの一つに視線を向けた。
サザンランド艦隊と別れた彼の艦隊・・・・・第11護衛艦隊は今、沖縄基地に向けて進路を取ったばかりだ。
東京に向かうサザンランド艦隊と彼の艦隊との距離は、まだそれほど開いていない。

「潜水艦隊・・・・・か・・・・・?」

吉岡が呟くと、

「サザンランド艦隊に、サポートを依頼しますか?」

『かつらぎ』航海長、長瀬隆也少佐が声をかけると、吉岡は苦笑しながら首を振った。

「日本の領海での厄介事に、サザンランドを巻き込むわけにはいくまい」

「では?」

長瀬が首を傾げると、

「航海長、燃料は大丈夫か?」

吉岡の問いに、

「本艦は大丈夫ですが、むつき型護衛艦は小型艦ですから補給が必要です」

長瀬が答えた。

吉岡はうなずくと、

「これより『かつらぎ』は単艦で潜水艦隊の追跡に向かう。 『きさらぎ』、『ふみつき』、『さつき』、『ながつき』は沖縄基地に戻り補給を受け待機!」

吉岡の命令が艦隊各艦に伝えられると、『かつらぎ』の機関の音が大きくなり速度が上がっていく。
4隻の護衛艦の姿は、たちまち小さくなっていった。
 

ようこそ(^^)

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 5月13日(水)16時02分53秒
  No.1440さん、ようこそお越しくださいました。

またまた? 無茶ぶりをしてきましたね(笑)

それでは、その返信は・・・・・。
 

お久しぶりです。

 投稿者:No.1440  投稿日:2020年 5月10日(日)10時20分42秒
  ゴッドアイより南西艦隊
所属不明の潜水艦艦隊が黄海より沖縄方面へ航行中。南洋方面へ向かうと思われる。一部対馬海峡へ向かう動きも見られる。警戒せよ。
以上。
 

コロナウイルス騒動お見舞い申し上げます

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 4月25日(土)16時58分52秒
  一月ごろから囁かれていた「コロナウイルスの流行」が、中国から日本へ、そして世界的な大流行になってしまいました。

このホームページを訪れた方たちも、何かしらの影響を受けているのではないでしょうか?

学校が休校になり、家にいる学生の方。

在宅勤務になり、テレワークで仕事をしている方。

社会を支えるために、電車や車で職場に向かう方たち。そして物流を支えるトラックドライバーやお店の店員の方々。

患者を救おうと危険にさらされながら頑張る医療関係者の皆さん。

今は逃げ馬も、リアル世界でこのウイルスの流行に対抗するものを供給する職場で、残業・休日出勤が続く毎日で、「TSFエネルギー」がすっかり切れてしまった状態です(苦笑)

ちょっと時間ができたときにでも、書き進めたいところです。(ユーモアは必需品です)

まだまだ流行は拡大しそうな気配で、先の見えない状態ですが、読者の皆さんも自分を、そして家族や仲間たちを守るためにも不要不急の外出は避けて、お体には気を付けてお過ごしください。

また、次回作を読んでいただけるのを、書き手として楽しみにしています。

それでは、行ってきます!!
 

遅くなりました(^^;

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 4月25日(土)16時47分43秒
  Atter0123さん、カキコをありがとうございます。

そして、お返事が遅くなり申し訳ないです(^^;

現在のところ、作品のコミック化は考えていません。

お声がけありがとうございました(^^)
 

お久しぶりです!

 投稿者:Atter0123  投稿日:2020年 4月 5日(日)22時22分20秒
  ふと思ったのですが、逃げ馬さんの小説を漫画化することは考えてませんか?
個人的に見たいと思って、試しにとある漫画化さんに「突然の贈り物」を見せたら40ページぐらいで漫画化できると返答が来たのですが、いかがでしょうか。
 

更新しました

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 3月 1日(日)19時49分12秒
  ガールズ・ファイターのスピンオフ作品『南洋からの使者』
前編をガールズファイターシリーズのページに掲載しました。

この掲示板で書いていた続きは「後編」にまとめてホームページに掲載します。

しばらくお待ちくださいね。
 

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