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掲示板でGF その7

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 6月28日(日)20時26分20秒
  第11護衛艦隊旗艦 『かつらぎ』艦橋

「艦長、防衛艦隊司令部から入電です!」

通信士官から渡された通信文を受け取った吉岡は、通信文に目を通し、そして・・・・・その顔に微笑みを浮かべた。
潜水艦隊の目的、それを推理し行動をとっていた吉岡は、その推測が司令部・・・・・おそらくは小沢司令長官だろうが・・・・・と一致していたことに微かな満足感を覚えていた。
それだけに、これからの対応が責任重大なのだが。
吉岡は視線を通信文から情報スクリーンに向けた。
彼が乗る『かつらぎ』の東方 110kmをサザンランド海軍の航空母艦『オーシャン』が16ノットで東に向かっている。
それを追うかのように西から潜水艦が迫っている。
司令部からの命令を読むと、その潜水艦隊の目的を彼の推測と同じだと考えたようだ・・・・・『かつらぎ』の前を航行する艦、空母『オーシャン』への攻撃だと。
吉岡は通信士官を呼び、司令部に命令への了解文を送らせるとともに、後続の護衛艦への命令を送信させた。




護衛艦『ながつき』艦橋

「艦長、『かつらぎ』からの命令を受信しました!」

通信士官から命令文を受け取った『ながつき』艦長、館野三郎少佐は命令文に目を通すと『ながつき』の前を航行する3隻の護衛艦に視線を向けた。



護衛艦『きさらぎ』艦橋

むつき型護衛艦 『きさらぎ』艦長、杉内義正中佐は命令文から視線を上げ、しばらくは前方に広がるコバルトブルーの海に視線を向けていた。
杉内は今年で50歳になった。
50歳で中佐・・・・・決して出世が順調とは言えないだろう。
そして所属が本来ならば予備部隊である第11護衛艦隊で、預かっている艦が「骨董品」ともいわれるむつき型護衛艦だ。
第1護衛艦隊や第2護衛艦隊・・・・・主力部隊の艦長や司令部要員に言わせれば、この部隊に配属されれば「窓際艦隊」、「馘、5分前」。出世はそこまでということだ。
しかし、杉内にとっては、それは些細なことだ。
彼にとっては、この青い海で船に乗っていることが大切で、それ以外の事柄は枝葉の話で、中佐・大佐や将官などは指揮系統を明確化するためのただの「記号」でしかない。
将官が聞けば、怒りで顔を真っ赤にすることだろう。
今、4隻の『むつき』型護衛艦は『きさらぎ』を先頭に『やよい』、『さつき』、最後方に『ながつき』と500m間隔の単縦陣を組んで東へ、『かつらぎ』とサザンランド艦隊の後を追っている。
彼はもう一度命令文に視線を落とした。
そこの命令文の最後には、『きさらぎ艦長は、4隻の指揮をとれ』と書かれていた。
彼は大きく息を吸い込むと、

「面舵いっぱい、針路2-5-0!」

「信号員、各艦に発光信号! 『我に続け!』」

小さな『きさらぎ』が少し左に傾斜をしながら、青い海に白い航跡で弧を描く。
その後を3隻の護衛艦が追う。

『ながつき』の艦橋では、館野が慌ただしく指示を出していた。
ソナー員たちは、どんな音も聞き逃すまいと聞き耳をたて、兵器担当達はアスロックミサイルや爆雷、囮魚雷などの装備の点検を急いでいる。
館野は報告を聞きながら前を行く3隻の護衛艦の艦影を見つめている。

この4隻で、西から迫る潜水艦を阻止できるのか?
館野の緊張感が、少しずつ高まっていった。

 
 

掲示板でGF その6

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 6月23日(火)11時22分8秒
  横須賀基地 防衛艦隊旗艦 イージス護衛艦『まや』艦橋

その艦は、かつて太平洋で活躍をした重巡洋艦の名を継いだ艦だった。
そのボリューム感を感じさせる艦橋の形は先代の艦を知る人にとっては、その艦のシルエットを感じさせるかもしれない。
今、その艦橋の中では乗組員と司令部のスタッフたちが入ってくる情報に慌ただしく対応をしていた。

「長官、『はやしお』への連絡、終わりました」

「ご苦労!」

通信士官の報告を聞いた防衛艦隊司令長官 小沢総一郎大将は通信士官に答えると、視線を情報スクリーンに戻した。
今、彼が見つめる情報スクリーンは九州南方から南西諸島付近の様子を表示している。
空母『オーシャン』を中心としたサザンランド艦隊は、沖縄南方の海域を16ノットのスピードで奄美大島南方を通り東京を目指している。
その西方100Kmを護衛艦『かつらぎ』がサザンランド艦隊を追う形で進んでいる。
『きさらぎ』、『やよい』、『さつき』、『ながつき』・・・・・4隻の護衛艦は補給を終えて沖縄基地を出港し、30ノットの速力で『かつらぎ』を追っている。
今、小沢が命令を送った潜水艦『はやしお』は、奄美大島の北西の海域で10ノットの速力で北に進路を取っている。
今頃は海中で聞き耳をたてている事だろう。

これが今、南西諸島にいる日本艦隊の状況だ。

それに対して・・・・・小沢は視線を沖縄本島の西に向けた。
沖縄本島と宮古島の間を抜けた3隻の潜水艦は、南に向けていた進路を東に変えて30ノットの速力で東を目指している。
そして・・・・・小沢が視線をスクリーンに映された奄美大島の北に向けた。
そこには潜水艦隊の“別動隊”が、対馬海峡に向けていた進路を南に変えた。
その二つの潜水艦隊をそれぞれ、九州から発進した対潜哨戒機、P-3Cが追跡している。
小沢の指揮下、第11護衛艦隊旗艦『かつらぎ』は今、西方からの潜水艦に対応をする位置にあり、潜水艦『はやしお』は、北方からの潜水艦に対応を始めている。
これが今の状況だ。

「長官、この潜水艦の狙いはいったい・・・・・?」

参謀長 福原茂少将が首を捻った。
小沢はじっと情報表示スクリーンを見つめたままだ。
福原はその横顔をちらっと見て、視線をスクリーンに戻した。
彼も、ある“仮説”を持っている・・・・・しかし、それを口にするのを躊躇っていた。

「・・・・・意見があるならば、言うべき時に言わなければ意味はないぞ・・・・・参謀長」

小沢が視線をスクリーンに向けたまま言った。

「・・・・・はい・・・・・」

私は・・・・・と、福原が自分の仮説を小沢に説明をした。
それから15分後、新たな命令電が『まや』のマストから発信された。
 

掲示板でGF その5

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 6月14日(日)20時48分43秒
  同刻・沖縄本島東方海上

日本海軍との合同演習を終え、北九州基地にF-4ファントムを発艦させたサザンランド海軍 航空母艦『オーシャン』の飛行甲板は、数日ぶりにジェットエンジンの音が聞こえない、『静寂の時』を迎えていた。
今、飛行甲板にいる乗組員たちに聞こえるのは、海上に吹く風の音と波の音だけだ。
それは『オーシャン』の前後を航行する『コーラル』、『ブリザード』の乗組員たちも同じだろう。
厳しい訓練を終えたサザンランド艦隊の乗組員たちは今、交代でつかの間の休息をとっている。
通信室では、当直の通信士が傍らに置いたプラスチック製のコップからコーラを飲んだ。
その時、サザンランド本国・国防省からの暗号通信が入ってきた。
通信室にいる乗組員たちの顔に緊張が走る。
通信士官は受話器を手にすると、艦長に連絡を取った。



日本海軍 潜水艦「はやしお」

『はやしお』艦長 早瀬道隆少佐は発令所の椅子に腰かけてマグカップに入ったフリーズドライのコーヒーを口にしていた。
日本海軍とサザンランド海軍の共同演習で『敵役』を演じた『はやしお』は、その役割を十分すぎるほど果たしてサザンランド海軍の空母『オーシャン』艦長から感謝の言葉を贈られた・・・・・それが『社交辞令』でないことを早瀬は十分理解できた。
謝辞を受けた早瀬は直ちにその内容を乗組員全員に伝えた・・・・・それが乗組員の士気とレベルアップにプラスになることを理解していたからだ。
演習を終えた『はやしお』は今、母港である呉に向かって針路をとっている。
奄美大島の北を抜けて豊後水道から瀬戸内海を経て呉に向かうのだ。
発令所に詰めている航海長をはじめとする乗組員は、早瀬の意図を十分に理解をしていた。
時折洋上を通過する船があると、水上艦に見立てて『演習』を行っていた・・・・・それに対して早瀬は殆ど口出しをしない。
早瀬が口を開くのは、『演習』に課題を加える時くらいのものだ。

その時、狭い通路を小走りに走ってきた通信士官が、

「艦長、防衛艦隊司令部から暗号通信です!!」

「なんだと?」

早瀬は訝しげな視線を通信士官に向けた。
通信文を受け取った早瀬は艦長室に戻り、金庫から取り出した暗号書と通信文を照合しその内容を把握するのに15分かかった。
15分後、『はやしお』は針路を東・・・・・豊後水道を目指す進路から北に向けた。
その先には、南に向かう潜水艦がいる。
 

掲示板でGF その4

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 5月19日(火)20時45分36秒
  沖縄本島・宮古島近海海中

その日の南西諸島の海は、これから起きようとしている事など知らぬかのように凪いだ海だった。

その海中、深度150mの海中を3隻の潜水艦が南に向かっていた。
まるで海中にトンネルを掘るかのように大きなスクリューが激しく回転をしている。

3匹の猟犬は、沖縄本島の南に達すると、東に進路を変えて全速力で“獲物”を追った。


沖縄本島・日本海軍・沖縄基地

防波堤に設置された灯台の横から、4隻の小ぶりな護衛艦がゆっくりと基地に向かって入港してきた。
基地の岸壁には燃料補給用のフレキシブルパイプを手にした隊員たちが待ち構えている。
4隻の護衛艦は一列に並ぶと、ゆっくりと岸壁に近づいていく。
4隻の甲板上には無線機を手にした乗組員が出て、岸壁上の隊員と会話をしながら乗艦を巧みに岸壁に近づけていく。
やがて接岸した4隻の護衛艦は舫綱で繋がれ、燃料パイプが接続されると燃料補給が始まった。
艦橋のウイングからその様子を見守る護衛艦『ながつき』艦長、館野三郎少佐は、じれったそうにその様子を見守っていた。
マイクを手にすると、

「燃料補給作業、急げ!!」

特に誰に命令するわけでもない、しかしそう命ずるのを抑えることができなかった。
館野は視線を基地と外とを隔てるフェンスに向けた。
そこには『戦争反対』、『すべての人との友好を!』、『南西諸島を平和の海に!!』、などと思い思いに書いたプラカードを手にした100人ほどの人たちが立っていた。
その脇には取材に来たのだろうか、新聞記者が基地の中や抗議活動に参加をした人たちにカメラのレンズを向けている。
館野は眉をひそめた。
緊急入港に近い今回の入港は、当初予定をされた演習後の帰港時刻より6時間ほど早い。
それでもなぜか彼らは“タイムリーに”抗議に来ている。
なぜなんだ・・・・・?

「燃料補給と給水作業、完了しました!!」

館野の思索を報告の声が現実に引き戻した。

「了解、出港用意!!」

館野が言うと、織組員たちは機敏に動き始めた。
旧式艦のむつき級護衛艦は推進機関が蒸気タービンだ。
そのため一度ボイラーを止めてしまうと、ガスタービン推進に比べると再始動には時間のロスが大きい。
そのため館野達4隻の護衛艦艦長は、ボイラーを動かしたまま補給を受けていた。
それでも、蒸気タービンを動かすためには手間がかかる。

4隻の護衛艦は、『平和のための』抗議の声を背中に受けながら、再びコバルトブルーの海に白い航跡を描きながら『かつらぎ』の後を追った。
 

掲示板でGF その3

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 5月16日(土)13時54分1秒
  沖縄近海 第11護衛艦隊旗艦 護衛艦『かつらぎ』

今、護衛艦「かつらぎ」は30ノットの速力で北・・・・・・沖縄本島を目指している。

空中警戒管制機E-767からの「潜水艦隊出現」の報告を受け、『かつらぎ』はこの事態に対応するべき行動をとりつつある。
単艦で潜水艦を追跡する『かつらぎ』に、護衛艦『ながつき』艦長 館野三郎少佐は発光信号で、

「我、後続す」

と信号を送り、『かつらぎ』後方につこうとした。
報告を受けた吉岡は、信号員に返信をさせた。

「飯を食ってから合流せよ」

指揮官からの前代未聞の信号を受け、『ながつき』以下4隻の護衛艦は、補給のために沖縄基地に向かっている。
『かつらぎ』の艦橋からは、沖縄本島の姿はまだ見えない。
青い海原が広がっているだけだ。

「この潜水艦隊は、どこを目指しているのでしょうね?」

『かつらぎ』副長、青井裕二中佐が情報スクリーンを見ながら言った。
そこには、ゴッド・アイから送られてきた情報が表示されている。
黄海方面から東シナ海へ進出してきた潜水艦は2群に分かれている。
今彼らは『かつらぎ』とは沖縄本島を挟んで反対側にいる。
一群は沖縄本島と宮古島の間を目指しているようだ。そこから太平洋に抜けるのだろうか?
もう一群は、針路を東寄りに取っている。ゴッド・アイとの通信では対馬海峡を目指すといっていたが、吉岡の目にはそうとは見えなかった。
この2群の行動は連携をしている・・・・・そう考えると・・・・・? その時、

「ゴッド・アイから通信。 『オーシャン』からファントムが発艦。 北九州基地に向かいました」

その報告を聞いた瞬間、吉岡の脳裏に何かが閃いた。
現在、サザンランド艦隊は巡航速度で航行をしている。
吉岡の指が情報スクリーンに映し出された沖縄本島と宮古島の間を通り、東に向かう。そこには彼らの乗る『かつらぎ』が、そしてその先にはサザンランド艦隊がいる。
そして吉岡は指を、もう一群の東寄りを進む潜水艦の上に置いた。
東寄りに進むと見せかけ、南に向かい沖縄本島と奄美大島の間を抜ける、そのころにはその場所には・・・・・。

「艦長」

青井副長が声を震わせる。

「針路0-4-0・・・・・潜水艦隊とサザンランド艦隊との間に『かつらぎ』を入れて、彼らを食い止める」

吉岡の命令に、『かつらぎ』艦内の乗組員たちは、素早く反応する。

ソナー員は、どんな音も聞き逃すまいと緊張感を高める。
3機のSH-60の乗員たちは、いつでも発艦できるように愛機に駆けつけてチェックを始める。
整備員たちは3機のヘリコプターに燃料補給を始める。
兵器担当も、“いざ”というときに備えて準備を始めていく。

針路を東に向けた『かつらぎ』は、相手を迎え撃つ体制を取り始めていた。
 

掲示板でGF その2

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 5月13日(水)20時50分49秒
  同刻・サザンランド王国 コナ・シティー コナ国際空港

しなの総研主席研究員・六甲大学講師 森沢正輝は、サザンランド王国首都、コナシティーにあるコナ国際空港・・・・・サザンランド王国の国民には『ジャック・コスワース国際空港』として知られている空港のカフェで、日本への帰国便を待っていた。
サザンランド王国は、太平洋の十字路にあたる場所にあり、結果、この空港も『太平洋のハブ空港』としての役割を果たしている。
森沢はエアー・コーラル の成田空港行きの便の出発を待っていた。
日本は親日国のサザンランド王国のナショナル・エアラインともいえるエアー・コーラルの羽田空港への乗り入れは認めず、いまだに成田空港と関西空港、中部空港への週に数便の割り当てにとどまっている。
日本を『悪逆非道の国』と罵る国には毎日、羽田空港への乗り入れを認めているのだが・・・・・。
コーヒーを飲み、たまごサンドを口に運びながら新聞をチェックする。
日本のエアラインも路線を持っているが、森沢は現地のエアラインを利用するのを彼のスタイルとしている。
勿論、不愉快な思いをすることもある。
否、不愉快な思いをすることのほうが多いのかもしれない。
欧米への学会発表の際や、調査に出かけるときなどは人種差別的な扱いを受けるときもあった。
そうかと思えば、特定のアジアの国のエアラインを利用した時などは、彼が日本人だと気が付いたその国の人間は、彼に顔を近づけて唾がかかるほどの距離で、

「我々は、あなたの国を1000年許さない!!」

と罵られたものだ。
勿論、エアラインのスタッフはそれを『見て見ぬふり』で片付けようとした。
並の人間ならば、乱闘が起きただろう。
しかし、森沢は彼流の『誠実さ』(相手にとっては災難だったろう)で、日本の立場を説明した。
相手は反論をした。半ば怒鳴り散らしながらだったが・・・・・。
相手が興奮すると、森沢は逆に冷静に『説明』をした。
相手が論破されるのが確実になると、エアラインのCAなどが慌てて駆けつけて森沢に向かって「お客様、もめ事はやめてください」などと言った。
森沢は「ああ、そうですか」というと、そのまま矛を収めて本を読んでいた・・・・・もしも後でもめ事が起これば、間違いなくSNSで一部始終を発信していただろうが・・・・・。

今日利用するのは、エアー・コーラルの101便 エアバスA-350型機に乗る・・・・・もちろん、エコノミークラスだが。

「コーヒーを・・・・・」

森沢の後ろの席に、スーツ姿の若いビジネスマンが腰を下ろした。
森沢は傍らに置いていたスーツケース・・・・・ホテルから王宮、空軍基地までグルグルと巡回したスーツケース・・・・・を、すぐ横に引き寄せた。

彼の左横、椅子を一つ隔てた場所に、Tシャツ・ジーンズ姿の若者がニューヨークヤンキースのキャップを被ったまま腰を下ろして、コーラを注文した。
森沢が微かに鼻を鳴らした。
読んでいた新聞をたたみ、スーツケースに手を伸ばそうとした時、彼の右横の椅子にスーツ姿の“ビジネスマン”が腰を下ろした。
森沢が苦笑をした。

「何事ですか・・・・・中佐?」

サザンランド王国、近衛武官トンタット・タン中佐は、

「やはり、わかってしまいますか? 博士?」

「身のこなしでわかりますよ・・・・・」

森沢の周りの『男たち』が、森沢を囲むように立ち上がった。

「博士には、国防省までお越しいただきたいのです・・・・・」

この場で詳しくは申せませんが・・・・・トンタット中佐に対して、森沢は、

「もう1時間もしないうちに、成田行きが出るんだよ」

「ご心配なく・・・・・」

トンタット中佐が笑った。 テーブルの上にチケットを置いてすっと森沢の前に滑らせた。

「明後日の成田行きを予約しました・・・・・」

エアー・コーラルの成田行きA380型機、ファーストクラスでお帰りいただきます。
トンタット中佐の言葉を聞きながら、森沢が苦笑した。

「わかりました、行きましょう・・・・・」

3人に囲まれながら森沢はスーツケースを引っ張りながら歩きだした。
森沢の頭が目まぐるしく回転する。
いったい何が起きたのか?
サザンランドは『情報を重視する国』だ。その国の武官は明後日の航空便を予約した・・・・・ということは、2日間である程度の結論が見える事件が起きているのか?

いつしか森沢の顔から微笑みが消えた。
空港ターミナルの車寄せには、トヨタハイエースが横付けされていた。
森沢は屈強な男たちに囲まれて車に乗り込んだ。
 

掲示板でGF その1

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 5月13日(水)16時05分40秒
  第11護衛艦隊旗艦 護衛艦『かつらぎ』 CIC

「?!」

東京へ向かうサザンランド海軍の空母『オーシャン』と、フリゲート艦『コーラル』、『ブリザード』を甲板上で見送り、CICに戻ってきた通信士官 尾崎祥太郎少尉は、スピーカーから聞こえた通信内容に尾崎の思考は一瞬停止した。
直ぐに我に返った尾崎は頭にヘッドセットを付けると通信機のスイッチを入れた。

「かつらぎよりゴッド・アイ、もう一度言ってくれ」

「ゴッドアイより南西艦隊
所属不明の潜水艦艦隊が黄海より沖縄方面へ航行中。南洋方面へ向かうと思われる。一部対馬海峡へ向かう動きも見られる。警戒せよ。
以上」

通信内容を素早くメモを取る尾崎を、通信士たちが不安そうに見守っている。

「ありがとう、ゴッド・アイ」

尾崎は通信機のスイッチを切ると、メモを掴んでCICを駆け出るとラッタル(階段)を駆けあがる。
やれやれ、ようやく演習が終わったばかりなのに、今度は潜水艦か・・・・・。
尾崎は急角度のラッタルを機敏に駆け上がっていく。

E-767の機内では、管制士官が小さくため息をついていた。
彼も5日前には北九州基地所属部隊の演習に参加をしていた。
その演習ではユニコーン2、新谷正孝中尉搭乗のF-15Jがエンジントラブル・・・・・壊したともいうが・・・・・を起こし、何とか基地に帰還をするという出来事もあった。
結果、新谷はジャンヌダルク隊の岡村めぐみ中尉と岩田敦子少尉にはケーキをごちそうし、北田やゴッド・アイのスタッフたちには今夜、生ビールをおごることになっていたのだが・・・・・。
どうやら今夜はありつけそうにないな・・・・・管制士官は静かにモニター画面の情報を見守っていた。

ラッタルを駆けあがった尾崎は艦橋に飛び込んだ。
艦橋にいた乗組員達が一斉に振り返った。
尾崎は艦長席に座っている『かつらぎ』艦長、吉岡貴弘大佐に駆け寄ると敬礼をした。

「ゴッド・アイから通信です」

尾崎から手渡されたメモを読んだ吉岡は、艦橋に設置されたモニターの一つに視線を向けた。
サザンランド艦隊と別れた彼の艦隊・・・・・第11護衛艦隊は今、沖縄基地に向けて進路を取ったばかりだ。
東京に向かうサザンランド艦隊と彼の艦隊との距離は、まだそれほど開いていない。

「潜水艦隊・・・・・か・・・・・?」

吉岡が呟くと、

「サザンランド艦隊に、サポートを依頼しますか?」

『かつらぎ』航海長、長瀬隆也少佐が声をかけると、吉岡は苦笑しながら首を振った。

「日本の領海での厄介事に、サザンランドを巻き込むわけにはいくまい」

「では?」

長瀬が首を傾げると、

「航海長、燃料は大丈夫か?」

吉岡の問いに、

「本艦は大丈夫ですが、むつき型護衛艦は小型艦ですから補給が必要です」

長瀬が答えた。

吉岡はうなずくと、

「これより『かつらぎ』は単艦で潜水艦隊の追跡に向かう。 『きさらぎ』、『ふみつき』、『さつき』、『ながつき』は沖縄基地に戻り補給を受け待機!」

吉岡の命令が艦隊各艦に伝えられると、『かつらぎ』の機関の音が大きくなり速度が上がっていく。
4隻の護衛艦の姿は、たちまち小さくなっていった。
 

ようこそ(^^)

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 5月13日(水)16時02分53秒
  No.1440さん、ようこそお越しくださいました。

またまた? 無茶ぶりをしてきましたね(笑)

それでは、その返信は・・・・・。
 

お久しぶりです。

 投稿者:No.1440  投稿日:2020年 5月10日(日)10時20分42秒
  ゴッドアイより南西艦隊
所属不明の潜水艦艦隊が黄海より沖縄方面へ航行中。南洋方面へ向かうと思われる。一部対馬海峡へ向かう動きも見られる。警戒せよ。
以上。
 

コロナウイルス騒動お見舞い申し上げます

 投稿者:逃げ馬  投稿日:2020年 4月25日(土)16時58分52秒
  一月ごろから囁かれていた「コロナウイルスの流行」が、中国から日本へ、そして世界的な大流行になってしまいました。

このホームページを訪れた方たちも、何かしらの影響を受けているのではないでしょうか?

学校が休校になり、家にいる学生の方。

在宅勤務になり、テレワークで仕事をしている方。

社会を支えるために、電車や車で職場に向かう方たち。そして物流を支えるトラックドライバーやお店の店員の方々。

患者を救おうと危険にさらされながら頑張る医療関係者の皆さん。

今は逃げ馬も、リアル世界でこのウイルスの流行に対抗するものを供給する職場で、残業・休日出勤が続く毎日で、「TSFエネルギー」がすっかり切れてしまった状態です(苦笑)

ちょっと時間ができたときにでも、書き進めたいところです。(ユーモアは必需品です)

まだまだ流行は拡大しそうな気配で、先の見えない状態ですが、読者の皆さんも自分を、そして家族や仲間たちを守るためにも不要不急の外出は避けて、お体には気を付けてお過ごしください。

また、次回作を読んでいただけるのを、書き手として楽しみにしています。

それでは、行ってきます!!
 

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